2007年10月29日月曜日

妖怪大百科の罠

ふらりと寄った本屋で立ち読みした雑誌に
先日レポート書いたばかりの哲学堂公園の話が
載っていた。荒俣先生解説である。

見開き2ページしかない記事だが、
これは買わねばなるまいて。
「日本妖怪大百科」という、オールカラーだが
たった32ページしかなく、読むところが少なそうなのに
600円もする雑誌なんですが。
個々の妖怪には深入りするとハマりそうなので
石燕と陰陽妖怪絵巻あたりで止めて、
それ以外はこれまで意識して避けてきたんですが。

仕方ない。
やむなく買うことに決めて走り読みする。
荒俣先生の話は相変わらず面白いなぁ。
そうか、こういう順路で辿るとストーリーができるのか
などと感心してると、なんと
哲学堂話は次号にも続いてることが判明する。
(創刊号、2号同時発売)

し、仕方ない。。
2冊で1200円もの損失だが、この運命には
逆らえない。

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家に帰ってよく読んでみると、
この雑誌は創刊されたばかりの月刊誌のようだ。
そして10冊で完結だという。
んー、CMでよく聞く週刊デアノスティに構造が似てる。
創刊号は半額という振れこみで、それに釣られて
最初だけ買ってみたこともあるマニアックな週刊誌。
どれも100号近く続くので、結果的にうん十万とか
恐ろしい値段になっちゃう奴。
分割はいかんですよ。一括払いじゃないと実感わかずに
分不相応な買い物しちゃうから。
えーと、この妖怪大百科は10冊だから..600×10で6千円?

たかっ!

さすがに来月発売の3号に哲学堂は載ってないだろうから
この先大丈夫だとは思うのだけど、特集が天狗なんだって。
天狗、いいよね。
4号は七福神だって。七福神を妖怪として見なすセンスに
共感するな。

う、まずい。。。

極め付きは全10巻収納可能なオリジナルバインダー。
バインダーだけじゃなく、それにオマケがついてくるの。
実物大カラーの「百種怪談妖物双六」。
ますます、まずい。。。

詳しいことはココに。ダメダメ、罠にはまりそうな人は
見ないほうがいいです。

追記
「百種怪談妖物双六」は、京極さんの「前巷説百物語」
(単行本)の初版、カバー裏に印刷されてるんだって。
sugoroku
確かウチでも買ったはず。あれ、初版だったっけかなー。
我が家の本置き場は、本棚から溢れ出て山積みされた本の
墓場となっていて、掘り出すのが大変。
やむなく読みたい本は、持ってるはずなのに図書館から
借りてくるというマヌケぶりなのです。

2007年10月21日日曜日

哲学堂公園 其の参

150¥のマップには、40ヶ所のスポットが
番号入りで載ってるのですが、
正門そばの看板によると、本当は77ヶ所もあるのです。
ちょっと汚い画像ですが↓。
00園内地図
01園内名所
しかし七十七と謳っておきながら、番号は75までしか
ふられておりません。残り二箇所、文献が失われてしまって
現在はわからずじまいだそう。
オリエンテーリング感覚で全部踏破を目指してみるのも
楽しいです。今回結構一日中いたのですが、

22萬有林
23三字壇 哲史塀
46心理崖
51認識路
73望遠橋

の5箇所が見当たりませんでした(残念)。
石碑好きの私は、それぞれの目印の碑を見つけるのが
嬉しく、気づけば200枚ほど写真撮ってました。

74星界州
75半月台

このふたつは、ちょっと反則的な場所にあります。
(ヒントは観象梁を渡って向こう岸に渡り。。。)

最後に、哲学堂通りである北口商店街を
歩いていたとき惹かれた物件三箇所を載せて
終わりにします。

レトロ看板
昭和初期の趣を残す小林歯科。
赤い照明が点いた情景も見てみたい。

地蔵
結構大きめな地蔵小屋。お供え物一杯で、
地域の人たちに大事にされてるのがつたわってきます。

ゴシックポスト
あまりにも素敵なポストだったのでパチリ。

哲学堂公園 其の弐

 こちらは、宇宙館。
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方形の木造平屋なのですが、なんと!
内部横斜めに皇国殿という畳敷の八畳間が
設えてあります。
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斜めです。世界的に見ても珍しいへそ曲がりな
間取りです。でっかい聖徳太子立像(和田嘉平作)
が安置されてます。
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聖徳太子の後ろの壁が水平ではなく、遠近法の
消失点のようになってるのが画像からわかるでしょうか。
更に、聖徳太子の被ってる烏帽子を
この建物自体も被ってます。
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奇天烈です。

 この宇宙館そばに幽霊梅があります。
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もと、井上博士が駒込に住んだ頃、庭の梅ノ下に幽霊が出る
と騒がれたことがあり、それをここに移したもの。
また、この梅の木の写真を撮った人が、後で現像してみると、
その写真に自分の顔が写り込んでおり、数日後に死亡した
という噂があるとか。
明治時代に植えた割には、幹がか細い。それもそのはず
最初のは枯れてしまい、もう3代目だとか。
天狗松も幽霊梅も、枯れ死にやすい土地柄なのでしょうか。

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 こちらは絶対城の内部。
万巻の書を哲学界の万象とみたて、それを
読み尽くせば「絶対の妙境」に到達するという寓意から
図書館を絶対城と名づけたんだそう。
現在蔵書は東洋大学に移されて本は一冊も無いながら、
奥に聖哲碑と像が安置されてました。
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うす暗い照明に照らされて、欄間に彫られた真・善・美が
背面にきれいに映っててなにやら厳かな雰囲気。
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絶対城入り口の石碑には二人の中国風童が。
特に右側の子は左手が欠けてるけれども
愛らしい表情。
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 これは、孔子と釈迦、ソクラテスとカントの「四聖」を
世界的四哲人として祀った四聖堂。
釈迦涅槃像(和田嘉平作)と南無絶対無限尊と刻んだ唱念塔が
安置されてます。
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天井には四聖を表す額が掛かっており、画像の「聖韓」は
ドイツの思想家イマヌエル・カントの意。
この四人を並べ祀る感性もぶっ飛んでますが、
カントにこの字を当てるのも違和感ありまくり。
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 四聖堂周囲の平地は時空岡(じくうこう)という
SFちっくな名前で、哲学上の時空間を表している。
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他に、唯物園には「物」の字をかたどった芝があり、
狸の燈篭がある。
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この狸燈の昔の写真は↓。
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そして唯心庭には「心」の字に掘られた心字池があり、
池の中央に鬼の燈篭がある。
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前面と後面を並べてみました。
後ろ姿をよくみると、フンドシ締めてるのがわかります。
以前来たときは、水も枯れ、寂寥感に溢れていましたが
文化財指定になったせいか瀧もあるし
だいぶ整備されてました。
この鬼燈の昔の写真は↓。(つづく)
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哲学堂公園 (建物公開) 其の壱

 秋の陽射しが眩しい土曜日、建物公開があるというので
もの凄く久しぶりに中野哲学堂公園を訪れました。
 ここは東洋大学の前身、哲学館の創始者である
ダンディ井上圓了(妖怪)博士が、哲学の道場として
作ったとてもユニークなところです。
建物のうち古い物は明治37年頃のものとされています。

 まず、管理事務所でカラー刷りのマップ(150¥)を
買います。結構広く、少し入り組んでいるのでマップを
片手に歩くのがオススメ。難しい漢字のフリガナも
ふってあるし簡単な説明もついてるので便利。

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 これは哲理門という入り口で、別名妖怪門。
この門をくぐって俗界から宇宙の真理を探究する
哲学の世界に入るのです。
屋根瓦の「哲」からして気合入ってます。
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門の左右には物質界の不可解を象徴する天狗、
精神界の不可解を象徴する幽霊が
納められてます(田中良雄作)。
中を覗くと天狗と幽霊の像がほんのり見えるのですが
まっ昼間に見ても相当怖いです。特に幽霊。まぢ怖い。
網目の隙間から撮ってみました。(ますます怖いョ!)
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無尽蔵の中に展示されていた写真による天狗、幽霊彫刻はこれ。
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門をくぐると広場に出ます。
ここには、無尽蔵・四聖堂・六賢台・宇宙館・絶対城
という名の古建築があります。
いつもは閉まっているのですが、春と秋の年二回のみ
三年ほど前から建物公開されるようになったとか。
今秋は、10月の土日祝で、来週末が最後のチャンスです。

 無尽蔵は昔陳列所だった二階建ての建物で
中には圓了博士のガーゴイルが!!?
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なんですか、これわ???
博士と河童っぽい天狗(?)が融合しています。
側面をみるとオカメと鶏ともキメラ化。
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河童の頭頂部には「忠孝」という二文字。
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興奮しつつあらためて前面をよく見ると、中央に大仏
右下に髑髏、左下に龍がいるようです。
さすが妖怪博士。奇天烈な胸像です。
この建物の屋根の上には龍を模した飾り瓦があり、鬼瓦もキュート。
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 こちらは園内でもひときわ目立つ、三階木造六角塔の
六賢台。
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東洋的哲学人として、日本の聖徳太子・菅原道真、
中国の荘子・朱子、印度の龍樹・迦毘羅仙の六人を
「六賢」として祀ってあります。
狭い階段を昇って行くだけで異空間。
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途中陳列棚があり、かつては圓了博士の
コレクションがぎっしり飾られていたとか。
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屋根の棟瓦の先端には天狗の瓦。
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その天狗瓦は無尽蔵に展示されいて、じっくり見れました。
愛嬌ある異相です。(つづく)
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2007年10月15日月曜日

LEGOのホネホネ軍団

10年ほど前は、子供が好きだったので
レゴブロックを随分買いました。
おかげでいまだにその辺の隅には
必ずレゴの小さい部品が落ちている。

ここ数年はブランクがあって
しばらく離れていたのですが
ふと気づくと『ホネホネ軍団』というセットが!
骨好きにはたまりません。
馬も骨なんです。
久々に買ってしまった。
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黒い骸骨という発想は当時なかったので新鮮。
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白もいます。昔の骸骨と違うのは関節が
しっかりあって、小物を持ってポージングできるところ。
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正義の騎士もあります。
この甲冑はレゴのくせにかっこいい。
馬の鞍も派手です。