磨崖仏(まがいぶつ)とは、そそり立つ岩壁に刻まれた
仏像のこと。
磨崖仏の「磨」を「魔」と書き間違える人が573人ほどいるが
崖を磨くのが正しい日本語なのです。
日本一大きい磨崖仏は31.05mの千葉の
鋸山日本寺の大仏である。
同じく鋸山にはもう一体の磨崖仏、百尺観音もいる。
こちらは一種異様な谷あいに彫られているせいか
霧が出たりすると、顔のあたりが煙って見えなくなって
しまうほどで、印象的には百尺観音の方が大きく感じる。
しかし30.30mと日本一には75cm及ばず。
ということは、この鋸山は磨崖仏界のナンバーワンのみならず
多分ツーすらも揃っている無駄に豪華なスポット
ということになる。
他にも五百羅漢や地獄覗きなど、見所一杯の鋸山。
三浦センセも勝手に観光協会で観光してました。
鋸山話でつい熱くなってしまった。
本題に入る。日本一ではないが、箱根にも磨崖仏がいる。
しかも重文もの。日本各地の磨崖仏のうち、
国の重要文化財指定を受けてるものは5つあるが、
そのおすみつきをもらった5つのうちの貴重な1つだ。
場所はこの辺
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5年の調査、整備を経て、平成十年から一般公開
されているよう。
まずは記念館にて歴史的背景をお勉強。
「かつて箱根は地獄だった」
というキャッチーなコピーとともに
ちょっとしたお化け屋敷な雰囲気。
子供は高確率で泣く雰囲気。
賽の河原で石を積んでる子供たちを、
鬼が蹴散らす映像。
突然、ブラックライトにあやしく浮かびあがる釈迦の壁画。
トイレの婦人マーク、紳士マークも独創的で微笑ましい。
あと十年ぐらいかけて自然な年月の重みがプラスされ
寂寥感がグレードアップすれば確実に「ちょっとキッチュな
変スポット」に成長しそうな予感。
今の所は如何せんまだキレイすぎて、なんの感想も
持てない記念館でした。
地下道をくぐっていざ磨崖仏 俗称六道地蔵へ。
高さ9.2メートルと、かなり大きなお堂の中を覗くと
奥にお堂いっぱいに大きめな磨崖仏が鎮座。
奥行きが深くて、照明が無いせいかお顔がよく見えず
同行した母上には不評であった。
そこから北へ少しいくと
磨崖仏 俗称二十五菩薩 がある。
国道1号線をはさんで、東側に3体。
1体は判別できたものの、残り2体は不明。
そこから期待感を煽るような地下道をくぐって
西側に23体。
ここはなかなかに異相。
来てよかった感がぐっと高まり重文の底力を見た。
そこから精進池方向へ戻ると
宝篋印塔 俗称多田満仲の墓があり、
逆にもっと北へ行くと
五輪塔 俗称曽我兄弟・虎御前の墓もある。
正直、磨崖仏だけを目的にすると少々残念感が漂う。
他の物見遊山ついでに立ち寄る場所としてならお勧めできる。
磨崖仏フリークには、熱狂的にお勧め。
とりわけ二十五菩薩の全体像としての異形度はかなり高く
ブツマニアなら一見の価値あり。
オマケ
箱根の有料道路、ターンパークからの眺め。
人工物が視界にひとつも無い快感を噛みしめる。
2007年12月1日土曜日
元箱根で磨崖仏を愛でる
2007年11月23日金曜日
長安寺
箱根は仙石原交差点そばの
長安寺に行ってきました。
紅葉が盛りです。
場所はこの辺。
拝観料無料、駐車場20台の
アクセスしやすいお寺で、
通称五百羅漢(実際は250体ぐらい)の
超個性的で生き生きとした石仏が有名。
山門にはフィギュアちっくな風神、雷神(?)が。
山門足元には怪物っぽい蛙が。
水場には怪獣っぽいドラゴンヘッドが。
漆喰壁には小さな観音様がぽつんといたりします。
境内に入ると、
いきなり陽気な顔して柿をすすめられたり
どっかで見たことある落語家さんに遭遇したり
吉田戦車のキャラちっくな、
思いつめたお地蔵さんにのけぞったりします。
季節柄、落ち葉を集めて焚き火したら
大事な物でも一緒に焼いちゃったんですかね。
焚き火にあたりながら「あーあ」と大口開けてる人。
仏を腹に宿す羅漢。
観音を胸中に含む羅漢もいます。
龍の化身のような羅漢もいて、
玉を掴んだ龍の爪を胸に持ち、
側面をみると背びれのようなものが
彫刻されてる羅漢さんもおりました。
仔ウサギを嬉しそうに抱えてる羅漢さま
境内から奥へと向かうと裏山の斜面地帯があり、
そこには羅漢さまたちが思い思いに佇んでおりました。
バカボンのパパ似羅漢。
膝小僧出して入浴中のようです。
しゃっちょこばったお辞儀
紅葉に埋もれながら困ってます
飛んでます。現代美術の構図のようです。
実際、地上から数十センチ浮かんでる。
ここから先は立ち入り禁止!
と、体を張って闖入者を拒む。
落ち葉の布団が嬉しそう。
あれ?!首無しかな、と思ったものの
真上から見てみると
てっぺんにふっくらとした顔がありました。
親子で茫然自失してるように見える二人
途中に、茅葺屋根を片手で支えている
手長仙人がおりました
DVD ブラボー @王様のブランチ
鯛を大事そうに抱えている
ピグミー羅漢様
諸星ちっくな羅漢
機嫌良く天を仰ぐ羅漢様
苔かぶり羅漢様。
寺内で一番テンション高かったお人。
HeroesのヒロがNYに着いたときの
「やったぁー!」 ポーズみたい。
鳥居と小さな祠が二つありまして
祠の中の水神様と
人なつっこそうな龍に乗る
水神様も。
鯰に跨って池で遊ぶこの童子が
一番かわいかった。
見事な紅葉
私好みの変な石仏がいっぱいで
とっても楽しめたお寺でした。
他の羅漢さまを撮った百枚ほどの画像を
flickrのココに置いてあります。