2007年8月30日木曜日

水道路 標柱その二(3)

さて、海軍水道路(すいどうみち)の続きです。
コレは水道部タイプ。うっすらと苔をまとい
石仏の風情さえあります。
kokesuidoubu

コレは波線タイプ。海の字が地面に潜ってます。
てっぺんの赤いペンキが毒々しいです。
笑ってます

謎な標柱。『神企水』????
もしかしたら水道路とは無関係かもしれません。
謎

そして。
今回探索した行程上、最南端にあったもの
海軍用地
御影石仕立ての立派なものです。
JR線を越える為の塀に阻まれた、行き止まりの地点に
建ってました。
それまで、建物のかげになっていたのか、
発見されたのはつい10年ほど前のようです。
コチラに詳細)


最後に。
『風に吹かれて』HPにて
ツーリングを楽しんでらっしゃる方の、水道路レポートがあって
その中に、地面から抜いた標柱の写真が載ってました。
2041102hyocyu07
結構長いものなんですね。
そして『横須賀』の文字の下には『市』があるのがわかりました。
(転載許可、大変ありがとうございます)

今回、短い距離ながら、ひとつひとつ丹念に見ていくと
それぞれ味があって面白さを感じました。
いずれは全工程の標柱、制覇したいです。



水道路の標柱(2)

まずはコレ、正面部分が、波線2個の下に「海」の字。
海畑

帝国海軍マークが↓だそうで、そこからとったのでしょう。
海軍マーク
戦争遺跡でもあるわけです。

次はコレ。
黄色水道部
『水道部』。部活みたいです。
現在は横須賀水道局ですが、
今でも水道部という団体名称をとってる所もあるようです。
上面部分に横須賀の頭文字でしょうか、『Y』と彫られています。
大抵後ろは塀などの建築物にくっついてて見えないことが多いのですが
これは背面部も見れました。
そこには『横須賀』という文字が。
黄色水道部裏
てっぺんが黄色いペンキなのは、当局が目印のために塗ったのか
ガキンチョが悪戯で塗ったのか、どちらなんでしょう。


そして『水道局』。
水道局JPG

局なのか部なのかわかりにくい奴
mizu
字体を見比べればわかるかな?
真ん中のハート葉っぱがラブリー。

あとは埋まりまくってテッペンしか見えないもの
umari派手

一度に三個集まってるのもありました。
ゴミの日だったのでゴミ出しされてます。
3ko

二個並んでて、しかも両方とも『横須賀』文字入りの
豪華な奴
水道2個裏

道端のオブジェと化してる波線。
野仏のようです

境いの目印。
境界石
一帯は藤沢市なのに、道路部分の地所は、
海軍から無償で貰いうけた、横須賀市水道局の
ものなんですね。

(もうちょっとつづきます)

水道路(すいどうみち)の謎(1)

妹のお友達のブログで、藤沢にある横須賀水道路のことを
知りました。
今まで知らずに通っていた身近な生活道路に、こんな由来が
あったなんて、興味深い。

あそこを「水道路」と呼ぶ習慣があるのはなんとなく
知ってました。
でも、きょうにいたるまでその意味を深く考えたことは
なかったです。

1912年(明治45年)から、旧横須賀帝国海軍は、
艦隊の水不足を解消するため、
水源である神奈川県愛甲町から横須賀までの
延々53kmにも及ぶ長い海軍水道を、10年かけて
先駆けて敷設しました。
水道路(すいどうみち)の大半が、最短距離の直線です。
ナスカの地上絵のように、異様にまっすぐに北西から南東へ、
藤沢市内を斜めに横切っているのが
地図からわかるかと思います(青色に塗った道)。
suidoumiti2

関係者以外は入れない、いすゞ自動車の工場内の水道路。
いすずの道
まるで滑走路のような、整備された広くてまっすぐな道は
巨木なポプラ(?)並木になっている。
工場の門が開いてると、中をチラっと見渡せるのだが
北海道大学のポプラ並木(250m)もぶっ飛ぶ雄大さ。
軽く1kmはありそう。
帝国海軍と関係の深かったいすゞが、昭和36年この地に工場を開所するも
水道管の上に建物を建てるわけにもいかず、
このような景観になったと思われます。
常時工場内のお掃除バイトを募集してるので
一度は潜りこんでみたいもの。

 これらあまりにまっすぐな敷設ぶりを見るにつけ、
現在のような住民反対運動もなく、
当時憲兵の威圧する中で強制的に軍が土地を取り上げたことが伺われます。
 一方で、元々昔からあった真っ直ぐな道に沿って、
水道路を敷設したのではないかという考えもあるようです。(詳細)

 どちらにしろこのまっすぐな潔さは人の心を惹きつけます。
『鉄塔武蔵野線』ではありませんが、思わずどこまでも辿ってみたく
なる引力がある。場所によっては、海軍が目印として埋めた
80年前の標柱が、道の傍らに点々と置かれているのもかなりな魅力です。
 今回はこの青く塗った道で目にした、(といっても全行程の7割、
真ん中赤紫部分は、道路拡張工事のせいかほとんど
見当たりませんでした)水道路である証拠の標柱の
バリエーションを紹介します。
suidoumiti1

地図のURL



(つづく)

2007年8月27日月曜日

木鼻

baku
(神奈川県藤沢市遊行寺の木鼻。
正面が獅子鼻で側面が獏鼻)

近所の寺社巡りが楽しいきょうこのごろ。
お賽銭箱の上を見上げると、
色々凝った木彫りの霊獣たちに出会えます。

myouzenBaku
(妙善寺の獏鼻)

白旗獏鼻
(白旗神社の獏鼻)

縦柱と横柱がぶつかったとこ。そこを木鼻といい、
獅子や龍、獏、象等の飾りを彫ります。
これらはまぎれもなく日本版ガーゴイル。
中でも獏を彫った獏鼻が気になる。

(感応院ミニ社の象鼻)

夢を食べる架空の動物・獏。
最初鼻がニュっと長いので象かと思いました。
似てますが、よく調べてみると、耳が大きく、
下に垂れてるのが象。
獏は耳が小さく、ピンとして、
獅子のように毛束がカールしてます。

永勝寺象鼻
これは永勝寺の獅子鼻と象鼻。
獏と違って耳が垂れてるのがわかりますか?
象鼻ばっかり見てて気づかなかったのですが。
帰ってきて写真を眺めて改めて、ここのお寺の獅子鼻の
怪奇度が高いことに気づきました。
怖ひ。。

2007年8月23日木曜日

慈眼寺

山門
近所のお寺へお散歩。
藤ヶ丘中学の先をちょっと行った所にある、
慈眼寺というお寺です。
ご近所なのに、高い階段と塀のせいか、
今まで訪れたことはありませんでした。
初めて行ってみてビックリ!
山門の柱が、ど迫力な龍の透かし彫りだったのです。
UP
うーん、マニエリスム。
境内には大きな釣鐘もあって、
その取っ手にも双頭のドラゴンが。
釣鐘の取っ手
他にも樹齢300年の混生樹という、
のたくった怪奇な大木もありました。

灯台もと暗し。

2007年8月16日木曜日

怪物庭園ちっくなブツ

アーティスティックな怪物庭園写真はコチラに。
You Tubeでも『Bomarozo』で検索すると
家庭用ビデオの旅行映像がいくつか引っかかる。

その他、怪物庭園ちっくなブツをみっつほど。

ダリの有名な画『聖アントワーヌの誘惑 』。
これはあきらかに『怪物庭園』の彫刻群がモチーフ。
La tentation de Saint Antoine
それと、PCゲームで一部で人気を誇る『OBLIVION』
これはゲーム中の一画面で、ミノタウロスの巨大な彫刻が森の中にあるという
シチュエーションだが、苔むしかたが『怪物庭園』ちっく。
ミノタウロス2
あと随分昔のりんたろうのカルトアニメ『迷宮物語』。

の中の「ラビリンス*ラビリントス」で、女の子が吸い込まれる石像の顔は、『怪物庭園』の地獄の首だ。

2007年8月11日土曜日

怪物庭園 その伍

ドラゴンまで戻って上に行くと地獄の首がある
The Ogre or Orc(L'ORCO)
人食い鬼だと言われている
巨大な人間の首。
しかめ面を見せている
人間の首のまわりに、
茨や潅木は蓬々と
生い茂り、まるで
この顔の芝居じみた
恐ろしい髯のようになっている。
その口は、何でも呑みこんでやるぞ
と言わんばかりの大きさで、
あんぐり開かれているので、諸君はちょっと
頭を低くするだけで、怖ろしい歯のあいだを
くぐり抜けて、その中へ入ることもできるほどである。
口のなかは、ちょうど舌のあるべき場所に、
自然の岩を彫り刻んだ一脚のテーブルと腰掛があり、
諸君はそこに腰をおろして休むこともできる。
」*1

地面から首だけ突き出して、絶叫している
怖ろしい地獄の魔王の顔のようである。
この顔の口は、直径二メートルを越えるから、
優に人間が立って通れるだけの大きさを有し、
一種のグロッタになっている顔の内部には、
石を刻んだテーブル(同時に舌に見立ててある)が
備え付けてある。グロッタの内部で笑い声でも立てれば、
その声は大きく反響して、口から外へ飛び出し、
あたかも地獄の魔王が哄笑しているようにも
聞こえたことであろう
」*2

平べったい鼻、空っぽの丸い目、
はっきりしない弓なりの眉、大きな開いた口からなる
巨大な頭。岩の内部を洞窟のごとく抉り抜き、
その巨大な岩を、俄か隠者の部屋に変える。
唇の周りにはダンテに示唆された碑文がある。

汝ら、中に入る者よ、すべての思いを置いてゆくべし
 」*3

眠れるニンフの所まで戻り、左にいくと
大股びらきの人魚・怪物エキドナとハーピーがいる

Echidna(L'Echidna)

鱗のはえた二本の脚を百八十度にひらいて、
いわゆる『大股びらき』の姿勢で地面にすわった、
両手の欠けたタナグラ人形のような、
愛らしい顔のニンフがいる
」*2

そこを上に行くとオルシニ家の紋章をかたどった熊がいる

The Bear (ORSETTI ARALDICI)
熊は後脚で立ち上がり、胸のところに
紋章の花を捧げ持っている。
古い葡萄酒の色をした石で彫られたこれらの動物は、
オルシニ家の家名をもじった紋章なのである。
」*1

入り口まで戻って、右に行かずずっとまっすぐ行くと神殿がある

The temple(TEMPIETTO)
樹の根がはびこって、石材は離れ、
下から持ち上げられている。蓬々と茂った雑草や
イラクサや茨が、その割れ目に食いこんでいる。
建物の基礎は緑のなかに埋まり、美しい柱廊は
難破船のマストのように、天に向かって傾いている。
」*1

その下には地獄の門番、ケルベロスがいる

Cerberes (CERBERO)
岩の上に据えられた、伝説によれば
地獄の門を守っているという、非常に長い首の
先に頭の三つある、一匹の犬が見える。
三つの頭は、大蜥蜴もしくは有史以前の
爬虫類のようでもあり、警報のサイレンの
三つの口をも連想させる。
」*1

入り口まで戻って、左へ行くと怪物の首がある

The Proteus(PROTEO)

額にオルシーニの盾の縞で飾られた
球がのっている恐ろしい怪物は私自身の象徴、
一族の栄光の紋章の重みを支える奇形の
象徴であった。上方に、私は要塞を、
ボマルツォの要塞を型どらせた。
オルシーニ家とボマルツォが私を
抑圧していたが、私は母なる大地に
ほぼ沈み込み、怯えながらも両者に堪えていた。
 」*3

以上で、庭園散歩はおしまい。
長々とおつきあい感謝。

photo Author: stelosa
文中青文字は*1『ボマルツォの怪物』から
紫文字は*2『ヨーロッパの乳房』から
群青文字は*3『ボマルツォ公の回想』からの引用